2人で見たかった景色


 2002年、読売ジャイアンツは日本一になった。  その立役者っていうと大げさだが確実に戦力となった1人の選手がいた。  名前は真崎要。  1998年のドラフト6位で指名を受けた。  足が速く身体能力の高く、内野手だが外野経験もあるというユーティリティプレイヤーだ。


真崎「さてと何回来てもこの場は慣れないな」


 真崎は来季の契約のための契約更改に来ていた。  年俸も大事だがある決意を持ってこの契約更改に臨もうとしていた。


球団関係者「今年はよくやってくれた。来年の年俸だが……」

真崎「その前に1ついいですか?」

球団関係者「何かな?」

真崎「背番号を変えてほしいです」

球団関係者「いったい何番にしてほしいんだい?」

真崎「51番です」

球団関係者「――ッ!? そ、その番号は……」

真崎「俺があの人の遺志を継ぎたいんです。欠番にするなら俺につけさせてください」

球団関係者「う〜む……確かに天草くんも君なら許すかもしれないが……」

真崎「お願いします!」


 真崎がつけようとお願いしている51番という背番号。  前任者の名前は天草水晶という。  これは日本一という頂きに登って2人一緒にその景色を見た2人の物語。


…………*


 1999年1月、新人合同自主トレ。  真崎は足で目立っていた。


真崎「バッビューン!」

コーチ「おぉ……」


狩野「相変わらずの鬼足だな」

真崎「これが俺の取り柄だからな」

駿河「足はすぐに武器になるからな。意外と1軍で使われるの早いんじゃないか?」

狩野「だが真崎はスペ体質だからな」

真崎「ほっといてんか」


 右肘に不安を持っている真崎。  だがこの自主トレ中は痛むことなく過ごすことが出来た。  そして2月、キャンプを迎える。  真崎は2軍スタートだった。  高卒で入ったこともあり、まずは身体作りからという球団の方針だった。


水晶「おー、お前が真崎か」

真崎「あなたは?」

水晶「天草水晶。お前の1個上ね」

真崎「天草?」

水晶「そうそう。NPB史上唯一の3000本安打を打った天草翡翠の息子だ!」

真崎「自慢げに言うんですね」

水晶「凄いことじゃん。誇れる親父だぜ?」

真崎「比べられたりするのもあるんじゃないか?」

水晶「俺も同じ以上の成績を残せる自信があるから気にならない!」

真崎「くくっ、凄いですね」

水晶「俺、ショート守ってるんだ。お前、セカンドだろ? 組むことも多いと思ったから声かけたんだ」

真崎「なるほど。じゃあよろしくお願いします」

水晶「俺はチームのホープだから仲良くしておいて損はないぜ?」

真崎「自分で言いますか」

水晶「自信を言葉にできないなら自信って言わないからな」

真崎「………………」

水晶「ん? どした?」

真崎「いえ、そういう考えもあるんだなって思いまして」

水晶「自論だがな。だがいいこと言ったな、俺。メモっておこう」

真崎「思いつきかよ!」

水晶「お、ツッコミも出来るな。面白いな、お前」

真崎「あなたには負けます」

水晶「そうか?」

真崎「変わってますね、天草さん」

水晶「よく言われる。もう慣れたぞ」

真崎「………………」


 すっかり打ち解けた2人。  真崎もどっちかというとボケ属性だが水晶に圧倒され、ツッコミに近くなった。  それほどまでに水晶の個性が強かった。


水晶「だが今、巨人の二遊間は手薄だからチャンスはあるぞ」

真崎「2人で奪い取ろうってことですね」

水晶「うむ。頑張るぞ」


 水晶の言う通り首脳陣も2人を早く1軍で使うために2軍の試合で積極的に使った。  2年目の水晶とルーキーの真崎だったが2軍の試合はほぼフル出場。  息もあって来ていい二遊間コンビになっていった。


水晶「お前の身体能力ならショートの方がいきそうだけどな」

真崎「俺、肘に不安もあってショートだと送球が安定しないんですよね」

水晶「なるほどね」

真崎「まぁ、内野でのエラーも増えたら外野行きでしょうけど」

水晶「大丈夫じゃないか? 2軍とはいえ高卒ルーキーでそこまで守れたら」

真崎「だとしたら高校の同級生のおかげですね」

水晶「どゆこと?」

真崎「ノックの鬼で守備は鍛えられましたからね」

水晶「ふ〜ん、ま、この守備なら後は打撃だな」

真崎「木のバットと金属ってこんな違うんですね」

水晶「俺はあんまり違和感感じなかったけどな」

真崎「2軍でも3割以上打ってますし、そろそろ呼ばれるんじゃないですか?」

水晶「うむ。お前も足があるんだから早く上がって来るんだぞ」

真崎「天草さんだってまだ呼ばれてないでしょ」

水晶「大丈夫、近い未来だ」

真崎「凄い自信ですね」

水晶「この世界、やっていくには自信だぞ」

真崎「口に出せない自信は自信じゃない、でしたっけ?」

水晶「何が?」

真崎「自分で言った言葉でしょ」

水晶「俺、そんなこと言ったっけ?」

真崎「もういいです」


 真崎も明るい性格だが水晶はそれ以上だった。  だけどそんな水晶をプレーも含め、真崎は尊敬するようになっていった。  言うだけあって水晶はセンス抜群だった。  そんな水晶に近づけるように、そして一緒に二遊間を組むために真崎も必死に頑張った。


パキィンッ!


真崎「よし、天草さん!」


パッ!


水晶「ナイス、真崎!」


シュッポーンッ!


水晶「ありゃ?」

真崎「天草さん」

水晶「ん? 気にするな、真崎」

真崎「何がですか」

水晶「2塁でアウトはとってる。エラーではない」

真崎「はい。とりあえずベンチ見てください」

水晶「ベンチ?」

コーチ「………………」

水晶「キャッ」


 水晶の守備は良くも悪くも派手だった。  ファインプレーも多いが調子に乗るとこういった悪送球も目立った。  真崎も肘に不安があり、スローイングは少々安定しないこともあった。  だが期待されているのか2人は2軍の試合で使われ続けた。


パキーンッ!


水晶「おっしゃ!」


ズシャアァッ!


真崎「おしっ」


 そしてその結果、水晶は首位打者を真崎は盗塁王を2軍ながら獲得した。  じっくり2軍で身体を作り、土台を作った結果が実を結んだのだ。


水晶「よしよし、いよいよ俺の1軍への道が開かれたな」

真崎「何とか定着したいですね」

水晶「俺はもう打でアピールしたが真崎は打でのアピールも必要だぞ」

真崎「そこですよね……」

水晶「2軍で3割近く打てないとやっぱ厳しいぞ」

真崎「大丈夫です! 足って武器があるんで使われてる間に結果を出します!」

水晶「うむ。その意気だ」


 翌年の2000年。  2人は1軍キャンプに選ばれた。


パキーンッ!


カァァンッ!


水晶「しゃあ!」


 紅白戦、練習試合で打ちまくる水晶。  一方、真崎は足や守備でみせるがやっぱり打撃で苦労した。


真崎「くそー……もっと振り込んでやり直しだな」

水晶「真崎、先に1軍の優勝を味わってくるぞ!」

真崎「がんばってください。俺もすぐ上がります」

水晶「あぁ、待ってるぞ」


 オープン戦でも結果を残した水晶はそのまま開幕スタメンの座を射止めた。  真崎は残念ながらこの年も2軍スタートだった。


カキーンッ!


水晶「うし、絶好調!」


 守備も調子に乗るとエラーするところがあるが普通には守れる。  ショートとしては打撃もそれなりに結果を残した。  チームのショートとしては1番多く試合に出場し、2軍ではあまり経験のなかったが手薄なセカンドも経験した。


カッキーン


水晶「OK、オーライッと!」


パシッ!


 最後は水晶がフライを捕球。  二遊間を1年間守り続けた水晶が最後のウイニングボールを捕った。  2000年のシーズンは巨人は優勝と言う形で終わった。  ビールかけで水晶はインタビューを受けていた。


アナ「天草選手。ビールかけの気分はどうですか!?」

水晶「サイコーです! でも一緒にビールかけしたいやつがいるんでそいつと一緒にやりたいですね」

アナ「その選手とは!?」

水晶「言わなくても通じてるはずです。おら、いい加減、1軍に上がってこいよ!」


 この水晶のインタビューを見ていた真崎。


真崎「天草さん……」


 水晶の発言が自分のことを言ってると分かった真崎。


真崎「自分だって今年1年だけじゃないですか……」


 呆れながらもだが来季、自分も1軍に定着すると強く決意するのだった。


…………*


 2001年、ほぼレギュラーを獲得した水晶はもちろん真崎も2年連続で1軍キャンプに呼ばれた。


水晶「来たな、真崎」

真崎「1年間定着しただけでそんな上から目線ですか」

水晶「と言っても3割も打てなかったからな。今年は3割打って完全にレギュラーに定着する!」

真崎「俺もまずは代走でもいいから1軍にいるぞ!」


 前よりは木のバットには慣れてきた真崎だったがまだ感覚が掴めないようだ。


真崎「くそー……」

水晶「真崎、ちょいとバットの出だしが悪い気がするな」

真崎「えっ?」

水晶「俺で良ければ指導するぞ。2人で巨人の二遊間を守ろうぜ」

真崎「天草さん……」

水晶「どうだ?」

真崎「お願いします!」

水晶「うむ。3000本安打打った男のDNAを持つ俺が指導するんだ。超絶に成長するぞ」

真崎「………………」


 どこからそんな自信が出てくるのか……  真崎はいつも疑問に思っていた。


ズダッ!


ズシャアッ!


真崎「うしっ!」


 打撃面ではすぐに効果は出るわけではなかったが真崎は代走、守備要員で1軍に1年間定着出来た。


パキィンッ!


パッキーンッ!


水晶「絶好調!」


 一方、前の年にレギュラーとして定着した水晶は自身初となる3割2ケタホームランを達成した。


水晶「くそー……」

真崎「無念でしたね」


 個人ではそれなりの結果を残した2人だったがチームは優勝を逃した。  だが1軍でやれる自信がついた1年となった。


水晶「来年、必ずレギュラーを獲って優勝しよう」

真崎「はい!」


 真崎は主に代走だったが水晶の指導効果もあってか規定打席に到達せず、打数も少ないが3割を打った。  文字通り、来季に繋がる1年にすることが出来た。  水晶も規定打席に立ち、3割を打ち、ホームランも2ケタに乗せた。  2年連続100安打以上を放ち、レギュラーを獲得したと言えるだろう。


水晶「どうする? 自主トレ一緒にやるか?」

真崎「あ、はい。天草さんが良ければ」

水晶「よっしゃ、今年こそ2人で活躍して優勝だな」

真崎「はい!」


 2001年、ある程度の結果を残し、球団もファンも若い二遊間に期待をした。  そして2人で自主トレをしていた。


水晶「真崎」

真崎「はい?」

水晶「今日、友人たちと新年会開くんだけど来るか?」

真崎「新年会?」

水晶「親同士が仲良くてな。その子供たちも年齢が近いから仲がいいんだ」

真崎「そんなところに俺が行ったら場違いでしょ」

水晶「気にするな。知ってるやつもいるよ」

真崎「え?」

水晶「西武の漣って知ってるだろ」

真崎「あぁ、漣の弟ですか」

水晶「…………え?」

真崎「兄の漣連夜とは高校一緒だったので。甲子園でもその弟と戦ってますし」

水晶「なーんだ。じゃあ話が早い。その漣家と森羅家が来るんだ。森羅の名前も聞いたことあるだろ?」

真崎「え、えぇ。確か中日で活躍した人と今、Jリーガーの方でしたよね」

水晶「そうそう。毎年、集まってるんだけど今年は俺ん家なんだよね」

真崎「じゃ、じゃあお邪魔じゃなければ」

水晶「よしよし、じゃあ行こう」


 こうして天草家の新年会に呼ばれた真崎。  2人以外はもうみんな揃っていた。


水晶「ただいまー」

真崎「お邪魔します」

連夜「ん? 真崎、お前も来たのか?」

真崎「あぁ、誘われてな」

連夜「水晶くんと共に今年は良かったんじゃないか?」

真崎「まだまだだよ」

連夜「ま、慢心はいかんしな。球友の活躍は誇らしい。頑張ってくれ」

真崎「あぁ」


 楽しい新年会だった。  連夜と真崎は同じ高校だったこともあり話に花を咲かせ、盛り上がった。  だがそれは突然、起きた。


翼「あー、ビールなくなった。まだある?」

白夜「あ、いいよ。俺とってくる」

水晶「いや、トイレついでに俺が取って来るよ」


 水晶がトイレに立って居間から廊下に出るためのドアを開けた時だった。

バタッ


連夜「どうした、水晶くん。飲み過ぎたか?」


 水晶が突然倒れた。  最初は酔っぱらって倒れたのだと誰もが思ったが様子が違った。


真崎「天草さん!?」

連夜「マジか……!?」

真崎「天草さん! しっかり!」

連夜「光、救急車!」

光「あ……う、うん!」


 皆、緊急事態に一気に酔いがさめた感覚になった。  そしてすぐに救急車で運ばれたが……


医者「………………」

真崎「うそ……だろ?」


 急性心不全だった。  若すぎる死。  球団にとっても若手にホープでこれからだった。


真崎「天草さん……」

連夜「真崎……」

真崎「俺、どうしたらいい……?」


 そして水晶の死は真崎にとってとても大きな心の傷を負った。  仲良くしてもらい、二遊間でコンビを組んで打撃で師弟のように教えてくれた。  突然すぎる水晶の死を真崎はまだ受け入れられなかった。


連夜「ショックなのは分かる。だが水晶くんはお前がふさぎ込むことを望んでるかな?」

真崎「え?」

連夜「結果を残せ。新年会で話してただろ。2人でビールかけをするんだって」

真崎「でももう天草さんはいない……」

連夜「お前がずっと水晶くんのことを思っていれば水晶くんはお前の中で生きている」

真崎「漣……」

連夜「ビールかけの時、水晶くんのユニフォームと一緒に楽しめばいい」

真崎「あっ……」

連夜「正直、俺だって気持ちの整理つかないけどな」

真崎「ありがとう、漣」

連夜「ん?」

真崎「俺が天草さんの穴を埋める。そして優勝して一緒にビールかけをする。絶対に!」

連夜「吹っ切れたか?」

真崎「吹っ切れたかって言われると微妙だけどな。やる気にはなったよ」

連夜「応援してる。水晶くんのために、とは言わない。だが忘れないでやってくれ」

真崎「当然だろ」


 水晶の突然の死を受け入れて、真崎は必死に前を向こうとした。  連夜の言う通り、水晶のために野球をするわけじゃない。  だけど水晶のことは忘れず、自分が結果を残して約束だったビールかけをする。  それが唯一でかつ一番、水晶への弔いになると信じて真崎は球春を迎えるのだった。


…………*


 2002年の2月、キャンプイン。  キャンプが始まる前に水晶を想い、黙とうが行われた。


真崎「うぉぉぉっ!」


 そして3年連続で1軍キャンプに参加することになった真崎はとにかく練習した。


コーチ「こらこら、真崎。元気なのはいいが飛ばし過ぎだ」

狩野「仲の良かった天草さんが亡くなったんだ。無理もないですよ」

駿河「やらなきゃ、やっていなくちゃ心が落ち着かないんでしょう」

狩野「そして天草さんの穴は自分が埋めるとか思ってるんだろうな」


 同級生の狩野や駿河が言った通りだった。  とにかく練習をしてなきゃ落ち着かない。  吹っ切れない自分がいた。


真崎「必ず今年こそ優勝する!」


 そして水晶が抜けた内野は自分が守ればいい。  いや、他の誰にも水晶のポジションは渡したくなかった。  弟分として自分が守るんだという想いが強かった。


真崎「うらぁっ!」


パキーンッ!


カキーンッ!


 苦労していた打撃も水晶の指導もあってかかなり上達した。  オープン戦ながら首位打者になり、開幕スタメンの座を射止めた。


パキーンッ!


真崎「しゃあ!」


シュタタタッ!


ズシャアッ!


真崎「よっしゃ」


パシッ、ビシュッ!


真崎「うしっ!!」


 打撃、足、守備、どれにも手を抜かず気迫溢れるプレーを見せる。  オープン戦ほどの率を残せてるわけではなかったが打てないわけではない。  それに足と守備では外せない存在になっていた。


狩野「頼りになるね、真崎」

真崎「今年は何が何でも優勝したいからな!」


 水晶の穴を埋めるべく必死だった。  そして真崎は水晶との約束を果たそうと頑張った。  それは水晶が1軍に上がってビールかけをしていたとき、一緒にやろうと言った言葉を。  その言葉を、約束を果たすために真崎は必死にプレーした。


狩野「楽に行け」

真崎「いや、ここで決める」


 そしてついに迎えたマジック1の試合。  同点の9回裏、2死3塁。  バッターは真崎。


ガキィンッ!


 打球はショート前に高く跳ね上がった。  微妙な打球でショートは突っ込まず待ってとる。  このロスで真崎の足なら1塁は間に合う。


真崎「うぉぉっ!」


ズシャアァッ!


 頭から1塁に突っ込む。


1塁審『セーフッ!』


真崎「しゃあ!」


 3塁からランナーが生還し、最後は真崎らしい内野安打でのサヨナラ勝ち。  優勝も決まり、笑顔でチームメートに真崎は祝福を受けていた。


真崎「(やりましたよ、天草さん)」


 サヨナラ打を打った真崎をまずは祝福し、そしてチームメート同士で優勝の感動を分かち合う。  監督の胴上げもやって、後はいよいよ歓喜のビールかけ。


久保「かんぱーい!」


 選手会長の一言でビールかけが始まった。  そして真崎は持っていたユニフォームを広げた。  それは51番……そう水晶がつけていたユニフォームだった。


駿河「食らえ、真崎!」


ブシャアァッ!


真崎「やったな、このぉっ!」


 本当の意味で2人では叶わなかったが、真崎は確かにこの日、水晶とビールかけをした。


真崎「約束……果たせましたね」


 あの頂から見える景色はどれほど素晴らしかったのだろうか?  2人で見たかった景色。  水晶は明るく、リーダーシップもあり、間違いなくチームを引っ張る存在となっていただろう。  真崎は少しでもその水晶に近づけるようにこの1年間やってきた。


真崎「あ、すみませーん。どうせならこのユニフォームと一緒に写真とってください」


 別に水晶のために野球をやるつもりではない。  だけど水晶のことを忘れるわけではない。  ただ水晶と一緒にこの頂から見たかった景色。


パシャッ


 2人で見たこの景色は絶景だった。  真崎は2度泣いた。  水晶が亡くなった時、そして今。  今は嬉し泣きとも言えるが写真をとってもらった真崎はもう笑っていた。


真崎「ありがとうございます!」


 2人で撮った写真。  そこには涙はなかった。  真崎は笑ってビールかけを楽しみ……


『ありがとな、真崎』


 そしてどこか誇らしげに真崎は最後まで水晶のユニフォームを掲げていた。



−F I N−



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