私は生まれつき耳が聞こえない、一般的に言う聴覚障害者といわれてる人だ。
当然いじめもうけ、私を理解してくれる姉以外は誰も信じられなかった。そんな中彼に会った。
でも私は一昔前、大事な人を感情の赴くままに彼を傷つけ消せない傷で傷つけた。理由は簡単。私がどうしようもなく子供で無知だったから。
そして、もっと許せないのが、そんな人を傷つけておいて、今尚、その人が好きになってしまい一緒になろうとしている。私自身の都合のいい情けなさ
頭の中では付き合ってはいけないと分かっているのに、その人が頭から離れなくなってきた。
断る気だったのに、次第にあふれ出るのは、その人だけの想い。
あの人を不幸にさせたのに、「済んだことはどうでもいい」と言って、すっかり赦したような態度になっている。赦してほしいと請うのは私なのに・・・・
自分が嫌になってくる。
一体なんで?
なんで君はこんな到底赦すことの出来ない私を好きだって言ってくれたの?
大事な姉さんを殺した人殺し、とわめき散らし、君を暗闇に突き落とし
今も尚、平気な顔をして大学に通っている、最低な女を・・・・・それなのにどうして?
もう、彼をいやな目に合わせたくない、だから、付き合う気は無かったのに・・・
好きになる気なんかなかったのに・・・どうして再び私に、希望を湧かせるような暖かいことが、できるの?私を恨んで当然なのに・・・
でも・・・・なんだろう、このどうしようもない気持ち・・・・・・不思議なほど、君と一つになりたいと願う、矛盾した私がそこにはいた。
あの事件や、聴覚障害だから君に迷惑をかけると打ち明けても君は・・・・
「あれは事故だったし、あけみの立場だったらしょうがないよ。
それに俺はあけみのこと聴覚障害だと思ってないし、こうして現に話すのは不自由しないよ、迷惑でもないし、オレが好きでいるんだ
だからこんな話やめよう・・・・なっ」
そんな君のまっすぐで優しい想いに次第に動かされていき、癒されていき嬉しかった。
人を好きになるってこんなにもうれしい事だったなんて、君の優しいぬくもりが耳が聞こえない私でも伝わってきた。
幸せだって言うことが初めてわかったような気がした。
思えばバスで私の落し物を拾ったあのときから始まっていたのかもしれない・・・予感めいたものはあった。
あの時、私は顔をあわせづらかった。あの一件があり、顔向け出来る気になれなかった。それでも君は精一杯の笑顔を振り撒いてくれた。
それが私の心を若干やわらげてくれた。
全てを打ち明けても彼は以前と変わらず、いやむしろ、仲が進展していくような感じだった。
あれから・・・・君を見るたびに、意識するたびに、音というものを聞いても居ないのに、ドクンドクンと脈打ちそれで、甘酸っぱく締め付けられるような思い。
これが・・・・恋・・・・なの?
彼がこんなにもグズグズしている私に手を差し伸べようとしているのに、私もそれに応えなければいけない。
いつも誰かに頼らないと生きていけなかった私。
でも君といっしょなら何とかやっていけそうな気がした。
だから、私は君を追いかける、そして私の今までの罪を全部告白し、そして言うんだ。
そんな私でも、「君が好きなんだ・・・・恋してるんだ」って。
私は君を守り続ける。
それが姉さんに対する罪滅ぼしだとしても・・・・
ダガーさんよりクリスマスプレゼントを頂きました。
なんていうか、さすが私のお師匠様です。あ、勝手に私が思ってるだけですけど(マテ
10のお題とかでこういう感じのを書きたいんですよ。でも中途半端になって09のキスみたいな感じになってしまうんです(ぇ
これはダガーさんのサイトの方で公開されている『惹かれる二人』の続編の予告編みたいです。
凄く楽しみになってきました。まだ『惹かれる二人』を見ていない方はlinksより急いで見ましょう。
ダガーさん、ありがとうございました!
サス
追記
ダガーさんの意向により新しくもらった方を公開しております。
以前もらったのより一人称の彼女の心理描写が増えていて、更に前作にあたる『惹かれる二人』の内容がそれなりに組み込まれています。
完結した『惹かれる二人』を読んでいない方は例によってlinksより飛んで見ましょう。