Fortieth Second Melody―意思、意志、遺志―


 二人は場所を変えて、大きな公園の展望台へ足を運んだ。  最初は公園の予定だったが、まだ夏休み。子どもたちがワイワイ騒いでいる中、話せる話ではなく  仕方なく、展望台まで来ることになった。


連夜「……なぁ、一夜」

音梨「ん?」


 これまでずっと先に口を開かなかった連夜、ここに来てようやく先に話しだした。


連夜「お前はいつ、自分の父親が漣朔夜だと知ったんだ?」

音梨「……漣鈴夜がプロを辞めてから違和感を持った」

連夜「それって……」

音梨「そう、母親が殺され……お前がさらわれた年だ」


 全てが同時期に起こった出来事。  いや、連夜がさらわれたのも音梨の母親が殺されたのも朝里の仕業と考えたからこそ  鈴夜はプロを引退した。その年、自身二度目の三冠王になりながらも……


連夜「でも何でだ?」

音梨「元々、父親に関しては母さんも漣鈴夜も教えてくれなかった。誰だっておかしいと思うだろ」

連夜「まぁ……それは確かに」

音梨「お前だって母親に関して調べてる。一緒だろ? いや、連夜の場合その先もあるんだっけ」

連夜「それはひとまず置いておこう。関係ない」

音梨「そうだな。悪いな、ちょっと僻んでるところあるわ」

連夜「仕方ないさ。確かに説明不足な点は親父にも非はある。例えそれが俺らのためでもな」

音梨「……悪いが、お前と俺とじゃ大きな違いがある」

連夜「え?」

音梨「漣鈴夜と血が繋がってるか、繋がってないかだ」

連夜「………………」

音梨「実の父親を責める気にはならんだろ。お前に対して思ったことはないが、俺は漣鈴夜を許さない」

連夜「………………」

日夜「それはおかしな話だな、音梨クン」


 急に第三者の声が聞こえてきて、二人はその声の発生源を見た。  そこには日夜がいた。半そで短パンに帽子と少年らしさを強調してるような格好で。


連夜「日夜……お前……」

日夜「まったく、人が甲子園の帰りに疲れを取ろうと散歩していたらお前らを見つけたからな。 ちょいと気になってね」

音梨「決勝戦見てたよ」

日夜「おっ、そうか」

音梨「初回のバントミスはいただけないな」

連夜「それに龍の大飛球に思いっきり飛び出してたな」

日夜「お、お前らな……」

音梨「まぁそれはどうでもいい。それより何がおかしいんだ?」

日夜「実の父親を責める気にならないって言ったけど、君はどうなのさ?」

音梨「ハッ、それは話が別だろ。連夜はお人よしだからな。そもそも人を責めること自体できないだろ」

日夜「音梨クン、連夜は……」

連夜「いいよ日夜。それに一夜が言うことも一理ある」

音梨「御柳、第一お前はどこまで知ってるんだ?」

日夜「………………」

音梨「御柳という名が持つ力、ダテじゃないだろ」

日夜「本当はね、知ってたよ。自分の父親のことぐらいね」

連夜「日夜……!」

日夜「でも知ったのはそれこそ音梨クンが父親に対し疑問を持った頃だよ」

音梨「調べてみてすぐ分かった。でもお前は教えてくれなかった。俺のこと内心、笑ってたんだ」

日夜「そんなことは……」

音梨「お前は俺に後ろめたい思いがあった。その事実を知ったからこそ俺に教えてくれなかった。 いや、俺と関わるのを極力避けてたんだ」

連夜「それは日夜の優しさだろ」

音梨「どうなんだよ、御柳」

日夜「………………」

連夜「日夜? どうしたんだ?」


 音梨に問いつめられ、下唇を噛む日夜。  その表情に連夜は戸惑った。


音梨「見ろ、連夜。御柳は意図的に隠していたことがあったんだ」

連夜「……一体何を?」

音梨「俺の母さんが殺された……朝里の刺客は御柳家が手配したものだ」

連夜「――!」

日夜「音梨クン……」

音梨「当時、朝里の分家同士で争いが絶えなかった。同じ分家でもランクがある。 朝里に最も近づくため、いわゆる評価を上げるための紛争が始まったんだ」

連夜「………………」

音梨「連夜も聞いたんだろ? 漣朔夜がしたこと、そして俺らの存在の意味」

連夜「あぁ……」

音梨「漣朔夜は意図的に朝森家と御柳家に子どもを作った。分家を潰すために」

連夜「どういうことだ?」

音梨「朝里は失敗作の子どもを親ごと消そうとしていた。そしてそのことを分家に流す。 当然、消せば朝里の評価は上がるだろ?」

連夜「――! まったく同じ情報を朝森と御柳に流した!」

音梨「その通り。言わば潰しあいさ。その事実、知ってただろ? 御柳の跡取り息子よ」

日夜「………………」


 日夜は頷きはしなかった。しかし否定しない以上、それは肯定を意味していた。


連夜「で、でもよ朝森家にお前らみたいやつ、いないだろ?」

音梨「それは……」

連夜「御柳が日夜なら朝森にもいなきゃならない。それにそれで一夜の母親が狙われる理由が……」

音梨「理由なら朔夜の子どもってだけで十分ちゃ十分だろ」

連夜「それはそうだが、論点をすりかえるな」

音梨「くっ……」

日夜「音梨クンの見解は正しいよ。それはまさしく事実であり、その通りの意図があった」

連夜「日夜!?」


 ここでようやく日夜が口を開いた。  一夜が提示した仮説を受け入れ、事実を伝える決心がついたようだ。


日夜「朝森の方なら流戸クンだよ」

連夜「……宙夜?」

日夜「漣朔夜と関係を持った人の両親が離婚したんだ。そしてその人は母親の性を名乗っていた。それだけ」

音梨「なるほど……」

日夜「それに聞いたところその人は朔夜の同級生らしい。だから恐らく関係を持った時、朝森の性を名乗ったんだと思う」

音梨「だとよ。辻褄あったろ?」

連夜「……あぁ」

音梨「分かったろ? 漣朔夜って男は別に朝里に脅されたりしたからやったわけじゃないってことが」

連夜「それは分からないだろ」

音梨「なぜだ? 朝里が決めるなら、分家は選ばない。力を持った子どもが生まれたりしたら 本家の座すら奪われる可能性があるからだ」

連夜「――ッ!」

音梨「俺らの父親はそういうやつなんだ。悪魔のような冷徹さを持つ男……」


 音梨は二人に背を向け、空を見上げた。


音梨「俺らに希望はない。漣朔夜が残した爪痕を俺らは一生背負わなきゃいけないんだ」


 普通の声の大きさで話したが、連夜の耳には悲痛の叫びのように聞こえてきた。  ある種、白夜と一緒だ。だが本質は全然違う。白夜の場合、事実か分からず混乱に陥ったもの。  しかし音梨は違う。事実と分かっているのだ。
 自分の父親は殺人者で、更に事件を巧妙に複雑化させた。  それを本当に読んでいたなら“関係を持った女性は朝里に消される”と言うことを  分かっていた、もしくは想像できたことになる。  もちろん、当時漣朔夜が何を思って行動していたかは分かりようがないが、残された事実はその1点をさしている。



連夜「だが……例え漣朔夜がそう仕組んでも現実にはそうならなかった」

音梨「なに?」

連夜「宙夜の母親は病死だ。御柳が殺したわけじゃない」

日夜「連夜……現実に消しあいは起こったよ」

連夜「日夜……」

日夜「想定外だったのは宙夜には守ってくれる人がいた。そして母親を早くに亡くしたことだ」

音梨「そして御柳は標的を変えた。俺の母親を調べ、そして消した」

連夜「………………」

音梨「これで御柳の評価は上がり、万々歳ってか?」

連夜「一夜! 日夜だって母親を……」

日夜「いいよ、そこは事実だから」

連夜「お前……」

日夜「音梨クン、残念だけど御柳の評価は上がらなかったよ」

音梨「どういうことだ?」

日夜「その後すぐ母さんは外国人の男性と結婚した。上層部……父の反対を押し切ってね」

音梨「それがどうした」

日夜「分かるだろ? 許されるわけがないんだ。次の跡取りが外国人なんてね」

連夜「梨遠……いや、リエン・クロフォード、そういう繋がりだったのか」

日夜「まぁそんなこと、音梨クンにとっては関係ないだろうけどね」

連夜「一夜、イラつくのは分かるが、ぶつける相手は違うぞ」

音梨「………………」

日夜「俺は御柳の跡取りなのは変わりない。だから音梨クンが憎む対象っていうのも間違ってない」

音梨「俺はお前を恨んでるわけじゃない。勘違いするな」

連夜「なぁ、日夜」

日夜「何?」

連夜「結局のところ、日夜の母親は誰が……?」

日夜「……刺客は御柳だよ。上層部、つまり母さんの父が手配した。俺からみれば祖父にあたる人物だな」


 実際のその事件にはまだ裏はあるが、日夜は伏せた。  わざわざここで掘り返す話しでもないからだ。


連夜「そっか……」

日夜「それが?」

連夜「いや、一夜の闇がようやく見えた」

音梨「………………」

連夜「漣朔夜の陰謀で母を亡くしたのは一夜だけってことか」

日夜「――!」

連夜「そして父親の罪の重さを知った」

音梨「……そうだよ。少なくても俺は自分の人生に希望を見出せない。 俺はその漣朔夜の血を継いでるんだから!」

連夜「違うよ、一夜」

音梨「……!?」

連夜「お前は力を継いでない。朔夜の子どもじゃないんだ」


 左腕に力を込め、青白い光を発する。


音梨「……お前……」

日夜「どういうことだ、それ?」


 音梨は自分たちが生まれた経緯を知っているため、力のことは知ってはいた。  日夜は一度、この光を見たが力のことはまったく知らずにいた。
 改めて説明した。力のこと、自分が継いでいることを……



連夜「一夜は知ってたはずだ。自分たちが失敗作だったこと」

音梨「それをお前が継いでいるってどういうことだ?」

連夜「さぁ? 親父曰く事故みたいなもんだってさ」

音梨「………………」

日夜「これが漣家の……悪魔の血?」

連夜「そう。さっき一夜が漣朔夜のこと悪魔って言ったけど、その通りってことかな」

日夜「……お前……」

連夜「一夜、お前は正しいよ」

音梨「……は?」


 唐突過ぎる連夜の言葉に少し間抜けな返事をしてしまった。


連夜「自分の父親がやったこと。こんな意味不明な力のために自分が生まれて……失敗作だからって 母親共々消されそうになった。人生に希望が持てないって思うのは自然の摂理だ」


 今度は連夜が二人に背を向け、先ほどの一夜とは逆の方へ歩みだし、そして空を見た。


連夜「だけどさ、お前を産んだ……母親の気持ちまで無下にするなよ」

音梨「………………」

連夜「漣朔夜がどこまでの策略家は知らんが、お前ら3人同時期ってことは 少なくても普通とは違う。作って終わりって可能性が高い」

日夜「だろうね」

連夜「つまり産むかどうかは母親の遺志だ」

音梨「朔夜がそうするように心を仕向けたかもしれないだろ」

連夜「あぁ、その可能性もあるがそれでも産むと決意したのに変わりない」

音梨「全然違うだろ!」

連夜「一緒なんだよ。母親にとってはな」

音梨「――ッ!」

連夜「お前の考え方は正しすぎる。俺の考え方はご都合主義もいいところさ。 だけど、そう思いたいじゃん」


 振り返ってみると二人とも俯いていた。  連夜の言葉をしっかりと聞き入れ、考えているようだ。


連夜「父親も朝里も御柳も怨んでもいいさ。だけど、自分の存在や母親の遺志まで 否定しないでほしい。お前の憎んでる相手からの伝言でもある」

音梨「なに?」

連夜「漣鈴夜もな、憎むなら憎めって……だけど自分を大切にして欲しいとさ」

音梨「…………ッ!」

連夜「日夜も……」

日夜「俺はまだ大丈夫。音梨クンと違う理由で母親を亡くしてるし。流戸クンも一緒だと思う」

連夜「そっか」

音梨「結局、お前は俺に何を言いたいんだ?」

連夜「さぁな」

音梨「は?」

連夜「お前の闇が見えた。だけど、それを晴らすことは俺にはできない。お前が考え方を変えない限りな。 でも憎しみに囚われると周りが見えなくなる。そのフォローは俺たちにもできる」

音梨「………………」

連夜「漣朔夜が何を考えてたか……? そんなの分かるわけないんだ。むしろ分からなくていいじゃん。 だからせっかくだし良い方に考えようぜ」

音梨「ま、お人よしのお前らしいな」


 憎まれ口叩いても、薄らと笑みを浮かべた。  二人が音梨の笑った姿を見るのは久々だった。


音梨「俺だって鈴夜さんに感謝してないわけじゃない。だから……」

連夜「あぁ、言っておくよ」

日夜「だけどさ、結果的に漣朔夜はその力が関係して狙われたんだろ?」

連夜「あぁ」

日夜「それを連夜が継いでる……お前、危なくないのか?」

連夜「さぁな。一つ言えることは朝里が俺の存在を知らないことだな」

日夜「………………」

連夜「御柳の後継者、俺を売りたきゃ売れよ」

日夜「バカなこと言うな。出来るか、そんなまね」

音梨「それに朝里にはれっきとした後継者がいるだろ。今更連夜なんていらないんじゃね?」

日夜「あぁ、深夜さんか」

連夜「知ってるのか?」

日夜「何度か会ったことあるよ。互いに跡取りって事で連絡もとれるし」

音梨「へぇ。御柳ってやっぱスゲーな」

日夜「嫌味ですかい?」

音梨「さぁ、どうでしょ」


 以前は全員、普通に兄弟のように接していた。  音梨が事件を追うようになり、日夜が気を遣った辺りから関係がギスギスするようになった。  でも白夜とも和解出来たように、すれ違いさえ正せば元通りになる。  音梨だって平たく言ってしまえば素直になれないだけなところもある。


連夜「結局のところさ、お前らは朔夜の子どもかもしれない、けど違うんだ。 それぞれの人生、生きるべきだよ」

音梨「……連夜、一つ聞かせろ」

連夜「ん?」

音梨「朝里相手にお前の力の存在がバレないとは思えない。この先、どうする気だ?」

連夜「さぁ? そのとき考えるよ」

音梨「お前が母親を追う限り、朝里とは接触しなきゃいけないんだぞ!」

日夜「連夜……結局お前……一人で抱え込む気じゃ……」

連夜「考えすぎだよ」


 含み笑いのように微笑む連夜に二人は目を細めた。  あまりにも怪しすぎて、連夜の言葉を完全に疑っていた。


連夜「じゃ、俺千葉に戻らなきゃいけないし、そろそろ行くわ」


 これ以上の追求をされるのが嫌だったのか、不自然な感じ丸出しだが連夜はその場を去ろうとした。


音梨「連夜」

連夜「ん?」

音梨「……何かあったら言ってくれ。その時は駆けつける」

連夜「あぁ、有難な」


 二人に背を向け、手をひらひら〜とさせて連夜は展望台から公園の方へ降りていった。  残された二人は暫し、気まずい雰囲気になったが日夜が口を開いた。


日夜「音梨クン……本当にゴメン」

音梨「ふぅ……お前が謝るようなこと何かしたのか?」

日夜「少なくても当時黙っていた。音梨クンが知りたいことを知っていながら」

音梨「それは優しさだったんだろ? 気にするな」

日夜「でも音梨クンのお母さんは……ウチがしたことだ。そこに責任はある」

音梨「じゃあ、俺になんかお詫びでもしてくれんの?」

日夜「音梨クンがそれで……少しでも満足出来るなら」

音梨「そ。じゃあ名前で呼んでくれ」

日夜「え?」

音梨「兄弟で苗字で呼び合うのもおかしな話だろ」

日夜「音梨クン……」

音梨「少しは前向くことを覚えるよ。憎悪の気持ちに変わりはないけどな」


・・・・*


 連夜が千葉の自分の部屋に戻ってきた時はもう日は暮れ、薄暗くなっていた。  甲子園から移動の疲れもあり、色々と面倒くさい話ばっかりしてたもんだから心身ともに疲労感に襲われていた。


連夜「ん?」


 連夜の部屋はアパートの2階。階段を上がったところで自分の部屋の前に人影を見つける。


瑞奈「あら、お帰りなさい」

連夜「……何のよう?」

瑞奈「はい、これ」


 四つ折りにしたメモ帳のような紙を連夜に手渡す。  それを渡されてすぐその場で開いた。


連夜「甲子園終わるまで待てとは言ったが終わってすぐかよ」

瑞奈「夏休み中の方がいいという判断よ」

連夜「そりゃどうも」

瑞奈「一応、内容は話しだけ。交渉ね、別の言い方をすると説得かしら」

連夜「また別の名を脅迫か?」

瑞奈「あなたの態度次第ね」

連夜「否定なしかよ……」

瑞奈「……でも本当にあなたの返答次第だわ」

連夜「ヘタに抵抗すると命も危ない……か」

瑞奈「……えぇ、あの人は手段を選ばないわ」

連夜「それは何? 忠告? それとも心配?」

瑞奈「………………」

連夜「でもね、あなたが教えてくれたろ? 漣朔夜に纏わること」

瑞奈「そうだったかしら?」

連夜「事件を追って、俺は今、漣朔夜と似たような境遇にいることが分かった。 思うんだけどね、俺に教えてくれたの……綾瀬大地って人の指示じゃないでしょ?」

瑞奈「……どうして、そう思うのかしら?」

連夜「俺が綾瀬大地なら、過去の事件は追わせないから。現にあの人は力のことは求めたが 事件のことはそれほど触れてない。触れるわけないんだ」

瑞奈「………………」

連夜「なぜなら、漣朔夜は結果として命を絶ってる。力を求める以上、それだけは避けたいはずだからな」

瑞奈「そうね……あなたの言うとおりだわ」

連夜「でもあなたが俺の命を心配するってことは、そこに可能性があるということになる。 俺、本当に力のみ狙われてるのかな?」

瑞奈「……あなた、ただの野球選手にしとくにはもったいないわね」

連夜「それはどうも」

瑞奈「私からはこれ以上、何も言えないわ」

連夜「……ねぇ、どうして?」

瑞奈「え?」

連夜「あなたはどうして綾瀬大地という人に関わってるの?」

瑞奈「あなたには関係ないことよ」

連夜「そう……」

瑞奈「無事を祈ってるわ」


 女性は顔を俯かせ、眼を合わせないようにして立ち去った。  連夜は見えなくなるまで女性の後ろ姿を見つめていた。  そして待ち合わせ場所の紙をグシャと握りつぶし、部屋のカギを財布から取り出した。


連夜「さぁてと漣朔夜はどんな道を選んだのかね」


ガチャ


 真っ暗な部屋は、まるで自分のこれからの道を表しているような……そんな印象を受けた。



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