Best Friends

−1−


 季節は八月。三年にとって最後の大会が迫ってきていた。
 そんな中、桜星進は埼玉のとある喫茶店を訪れていた。
 現在は東京都にある名門帝王高校に進学したものの、元は埼玉出身で昔から良くこの喫茶店に足を運んでいた。


進「ったく……約束の時間とっくに過ぎてるぞ……」

マスター「ま、彼ららしいじゃん」

進「待たされる身になってよ。あ、コーヒー頂戴」

マスター「はいよ。しかし進、背が伸びたね。どのくらいになった?」

進「いや中学卒業くらいからあんまり伸びてないな。たしか春先計ったので182cmだったかな」

マスター「そのくらいあれば十分十分。さぞモテただろ?」

進「残念ながら野球一筋でした」

マスター「中学時代、あんなにプレイボーイだったのに?」

進「ちょ、何言ってんの! それ激しく誤解!」

マスター「昔、働いてた子に平気で声かけてたじゃん」

進「あれは翔のためでしょ? まったく……」

カチャ
マスター「はい、コーヒー」

進「あ、ありがと。……しかし遅いな……」


ガチャ! チリチリーン

マスター「いらっしゃい」

龍「う〜す」

進「おせーよ」


 遅れてやってきたのは矢吹龍。進と中学時代からよく比較されてきた世代最高の外野手と名高い。


龍「これでも急いで来たんだぞ。なんせ彼女が離してくれなくてさ」

進「うん、帰れ」

龍「酷ッ! せっかく来てやったのに」

進「ったく人が約束の30分前に来てんのにどういうことだ」

龍「それはお前の勝手だろ。俺は約束の時間にきたんだし」

進「……あのさ、もう20分も約束の時間過ぎてるんだけど」

龍「そっから先の文句は彼女に言ってくれ」

進「うん、逝け」

龍「だから、お前らのイケって別の意味で聞こえるわ」

進「で、レンはともかく翔が遅れてくるのは珍しいよな」

龍「あ、マスター。いつもの」

マスター「はいよ」

進「聞けよ」


ガチャ! チリチリーン

マスター「いらっしゃい」


翔「いっやっほ―――! よぉよぉ! 久しぶりだな!!!」


一般客「………………」

 ハイテンションで店に入ってきたのは高波翔。神奈川の名門、横浜海琳高校のエースピッチャーだ。
 その周りのことをまったく考えていない声と大きさは客の目線を独り占めをし、店の中には痛いほどの沈黙が流れた。

連夜「恥ずかしいわ、ボケ」

ボカッ

翔「痛ッ……」

 翔の後ろにいて頭を叩いたのは漣連夜。千葉にある桜花学院の正捕手を務めている。
 すぐ入ってきたところを見るとどうやら二人一緒に来たみたいだ。

進「遅いぞお前ら」

龍「ほんとにな」

進「お前が言えたことじゃない」

翔「すまんすまん。電車一本間違えてな」

連夜「俺も時間を見間違えてた」

進「嘘付け。レンはまだ余裕だろってんでゆっくり来たんだろ」

連夜「心外だな。俺だって待ち合わせにはいつも十分前に……」

進&翔「来てない来てない」

連夜「……チッ、酷いやつらだ」

龍「レンの時間のルーズさは誰もが認めるからな」

連夜「それはお前が言えたことじゃない」

進「どっちもだ。と言うかレン、髪切ったのか?」

連夜「まぁね。サッパリしたろ」

進「一瞬、誰だか分からなかった」

連夜「そんなにか?」

龍「何か髪の色濃くなってね?」

連夜「あぁ。短くしたら生え際の茶が目立ってきたから染めた」

龍「染めたのかよ!」


 連夜の地毛は薄い青色(水色より薄い)だが、中途半端で嫌だと藍色に染めている。  (高野連は地毛と言うことで不問にしてもらっている)

マスター「久々だね、二人とも」

翔「ッス」

連夜「お久」

マスター「進にも言ったけど二人とも背伸びたね。やっぱ成長期なだけはあるな」

翔「だろ〜? 春計ったとき171cmだったんだ〜」

連夜「背は伸びても実際は大したことないから不思議だよな」

翔「やかましい!」

マスター「翔って中学の頃何cmだった?」

翔「フッ……俺は過去には縛られないようにしてるんでね」

連夜「162cmくらいじゃなかった?」

翔「ふざけんな! 166はあったわ!」

連夜「ほぉ〜」

翔「………………オホン。マスター、雑誌見ていい?」

進「………………」

マスター「連夜は?」

連夜「俺? 今は175で中学卒業時で171だったかな?」

翔「ムゥ……」

マスター「いや〜みんながこうして揃ってると昔を思い出すね」

進「やっぱ翔の恋愛話だろ!」

翔「ば、バカッ! アレは忘れろよ!」

連夜「あ〜あったな。俺的には進の方が印象に強いけど」

マスター「私もだな」

進「なんでだよ」

龍「進のプレイボーイさが垣間見れた瞬間だったからな」

進「お前、そのときいなかっただろ」

連夜「まぁ順調なんだろ? そのために横浜海琳に進学したんだもんな」

翔「バッ! 違ェーよ! 何か根拠あるのか!?」

連夜「ん〜それは昔を思い出せばたくさん出てくるぞ」

進「だな。翔の赤面話でもするか」

翔「止めろォォォ!!!」





―四年前―

 翔たちがまだ中学三年の頃の話だ。最後の大会に向け、日々練習を重ねていた。


ズッバーンッ!

翔「っしゃ!!!」

達川「…………なぁ漣、高波のヤツ飛ばしすぎじゃね?」

連夜「……次フォーク」

翔「オッケー」


スットーンッ!!!

連夜「ナイスフォーク。今日は調子が良いな」

翔「ふっふ〜ん。まぁね♪」

達川「なんかあったのか?」

翔「ん〜知りたい〜?」

連夜「別に。早く投げろ」

翔「はぁ……」

シュッ

永倉「おいおい、高波。ダラダラしすぎだぞ。さっきの投球はどうした?」

翔「はぁ……」

永倉「漣、いいのか?」

連夜「良いんじゃね? いつものことだし」

永倉「あっそ」

達川「………………」



カキーンッ

進「(パシッ、シュ)


監督「良し! 次、5−4−3のダブルプレー!」

カキーンッ!
濱北「(パシッ)そらよっ!」

シュポーンッ!

監督「ちゃんと投げろ!」

濱北「何ッ!? じゃあお前がやってみろ!」

監督「監督に向ってなんて口の利き方だ!」


清村「また始まったよ……」

進「監督。このままじゃいつも通りラチが明きません」


監督「むっ……そうだな。次は6−4−3だ。桜星!」

進「ッス」


カキーンッ!
進「ハッ! (バシッ! シュッ!)

清村「(パシッ! ズダッ!)おらぁ!」

シュポーンッ!

進「………………」

監督「アホー! わざわざジャンプするな!」

清村「練習だからいいだろ!」

監督「練習の意味ねーだろ!」

進「(はぁ……今日もこれで終わりかな?)」


 進の思ったとおり言い合いだけで時は過ぎ、外にランニングで出ていた選手も戻ってきたということで今日の練習が終わった。
 着替えをし帰る準備をしている中、翔が一人上機嫌で帰ろうとしていた。

連夜「翔、もう帰るのか?」

翔「お、おう。また明日な」

連夜「…………なんだ、アイツ?」

進「昨日も練習終わったらすぐ帰ってたな」

連夜「快が熱でも出したかな?」

進「いや、練習中普通にいたやん」

連夜「冗談じゃん」

進「………………」

連夜「ま、良いや。喫茶店に行こうぜ」

進「お、久々だな。良いぜ」


・・・・*

 その後二人は良く行く喫茶店に寄ることにした。
 その喫茶店は十年近くも続いている由緒正しき……かはどうか知らないが続いている喫茶店である。
 学校帰り週少なくても二〜三回は行くことからマスターとも仲が良くなり、常連となっている。

ガチャ! チリチリーン


マスター「いらっしゃい」

連夜「うぃ〜す」

進「こんちは」

マスター「なんだお前たちか。今、忙しいから座って待ってろ」

連夜「おいおい、優しくねーな」


 それから十分程度して、落ち着いたのかいつものヤツを持って連夜と進の席に来た。

マスター「はい、いつもの」

連夜「サンキュ」

進「相変わらず人手不足ですね」

マスター「ほっといてよ。やっていけてるんだから」

連夜「意地張らんとアルバイト募集したら良いじゃん」

マスター「いや、募集をすると色んな人が来るからな。紙なんて張らなくてもバイトがしたい! って言ってきたら僕は喜んで雇うけどな」

進「相変わらずだねぇ。今時そんな人います?」

マスター「いるよ。現にレジに立ってる子。最近入った子だし」

連夜&進「え?」


??「ありがとうございました」


連夜「ほぉ、中々良いじゃないか」

進「どこのオッサンだお前」

連夜「名前と年齢は?」

マスター「三浦さん、年齢は今、高校三年生って言ってたかな?」

連夜「覚えとけよ」

マスター「うるさいよ。それより翔と一緒じゃないんだな」

連夜「あぁ。何かアイツすぐ帰るんだよね」

進「最近、付き合い悪いんだよな」

マスター「いや、翔だったらあそこにいるけど?」

連夜&進「は?」


翔「(ボーッ)


連夜「何してんの? アイツ……」

進「ま、目線を辿ったら一つだろ」

連夜「あ? ……なるほどねぇ。良し、行くか」

進「オッケー」

 連夜と進はカップを手に翔のいる席に行く。まだ二人には気づいていないようだ。


連夜「よぉ、翔!」

翔「うわっ!? な、なんだお前ら!」

進「何一人で来てるんだよ! 誘ってくれれば良いじゃん!」

連夜「水臭いな〜翔くんは」

翔「なんでお前らがいるんだよ!?」

マスター「お前ら、あんまり騒ぐなって」

進「マスター、翔って昨日も来てたろ?」

マスター「ここ一週間は来てるんじゃないかな」

連夜「ふ〜ん。なるほどねぇ」

翔「お、お前ら、何勝手に話を進めてんだ!」

連夜「あの子か? 最近調子が良いワケは?」

翔「違うわ! どうでも良いだろ!」

マスター「だからお前ら騒ぐなって」

翔「ならコイツラに言ってよ。俺じゃなくてさ」

連夜「投球練習のとき聞いてほしかったんだろ? だから聞いてやってんのに」

翔「今聞くなよ!」

マスター「何々? 翔、あの子のこと気に入ったの?」

翔「マスターまで何言い出してんだよ!?」

連夜「ってあれ? 進は?」

 連夜の言葉にきふと周りを見渡す三人。気づいたら進がいなくなっていた。

連夜「あれ? トイレかな?」

翔「…………す、進ぅ……………………」

連夜「あ?」

 翔の目線を追うとレジのところに進がいた。どうやら今話題にあがっている子に話しかけているみたいだ。


進「初めまして。桜星といいます、よろしく」

馬紀「あっ初めまして。三浦馬紀(みうらまき)と言います。よろしくお願いします」

進「別にそんなに硬くならなくてもいいですよ」

馬紀「すいません……人と話すのあまり得意じゃなくて」

進「俺、あそこにいるやつらと良くここ来るんだ」

馬紀「へぇ。そうなんですか」


遠くから見ていると進がナンパしているようにも見え、楽しそうに話しているように見える。

翔「かあ〜〜!!! あの野郎! 何喋ってんだ!?」

連夜「さぁな。時々良く分からない行動するからな……(光の時がそうだったし)」

翔「あの野郎! まさかナンパしてるんじゃないか!? それなら俺が止めてやる!!」

連夜「まぁ待て。落ち着けよ。進はそこまで軽くない。(はずだ……)」

翔「むぅ……」

マスター「まぁどう見てもナンパしてるようには見えるけどね」

翔「やっぱりか!」

連夜「どうどうどう」

翔「あ〜やっぱり進みたいなカッコイイヤツに惹かれんのかな……」

連夜「(怒ったり落ち込んだり忙しいヤツだな)」


 それから数分後、話を終え連夜たちの席に戻ってきた。

進「ふぅ。ちょっと長話をしすぎたかな?」


翔「(どよーん)

進「あ? どうしたの、翔は」

連夜「お前のせいだ」

進「あん?」

 進に簡潔に説明をする連夜。

進「あぁ、なるほど。安心しろ、翔」

翔「何が!?」

進「俺はお前が思ってるような気持ちなんてないぞ? ちょっとした情報を集めてやったんだ」

連夜「情報?」
進「そ。名前は三浦馬紀さん。埼玉遊楽高校の三年生で、横浜の大学に受験しに行くんだってさ」

 そして趣味などプロフィールをほとんど言いあげる進。

連夜「(さっきの短時間でこれだけ聞き出したのかよ……)」

 妙なところで感心してしまう連夜。そして一通りの情報を進が言い終わった。

進「だ、そうだ」

翔「………………」

連夜「どうした?」

翔「最高です! 進様!」

連夜「(分かりやすッ)」


 その後、進と連夜で散々翔の後のことをからかって時間を潰した。

連夜「さて、そろそろ帰るか」

進「そうだな。まとめて払おうぜ」

翔「OK。俺が払うから進は先行っててくれ」

進「サンキュ。これ俺の分」

翔「いらんいらん。今日は俺のおごりだ」

進「あ、そう」

連夜「ごちそうさん」

翔「こら、レン。代金置いてけ」

連夜「俺からは取るのかよ!」


・・・・*

連夜「お前、結構プレイボーイだな」

進「違うわ。俺は翔のためを思ってやったんだ」

連夜「しかし、あんなに気楽に話しかけれないだろ」

進「甘いな。女性には優しく話しかければOKだ」

連夜「ああ……そう……じゃあはよ彼女作れ」

進「そうだな〜。ちょっと良い娘見つけたんだよね」

連夜「ほぉ。お前がそう言うのは珍しいな」

進「ん。ま、楽しみにしとけよ」

連夜「あ? あぁ……」

進「それより遅いな、翔のやつ」


・・・・*

馬紀「まとめてでよろしいですか?」

翔「は、はいっ」

馬紀「では全部で940円になります」

翔「こちらから」

馬紀「はい、1000円御預かりします」

ピッピッピ、ガチャン

馬紀「60円のお返しです。ありがとうございました」

翔「あ、どうも」

馬紀「いつも来てくださってますね」

翔「へ? あ、ええ」

馬紀「また来てくださいね」

翔「は、はいっ」


・・・・*

連夜「……レジ支払うのになんで十分もかかるんだよ」

翔「〜〜〜♪ 〜〜〜♪」

連夜「話を聞けよ!」

翔「〜〜〜♪ 〜〜〜♪」

連夜「……はぁ……明日、練習試合あんだけど……」

進「ま、使い物にならないな。これじゃあ……」

翔「〜〜〜♪ あ、俺用事あるから、これで」

連夜「あ? あぁ……じゃあな」

進「なにしたの? アイツ……」

連夜「知るか……」





翌日

翔「俺、今日、先発」

連夜「………………」

 昨日と180度、変わった翔の姿があった。

進「何があったんだ?」

連夜「知るかよ」

龍「良いじゃん。珍しく先発志望してるんだしさ」

連夜「……龍。じゃあお前、今日スタメンだ」

龍「ウソーンッ! それはアカンて!」

進「大会近いし調整しとけ」

龍「カイルッちゃんは?」

魁琉「悪いが今日は休みだ」

連夜「キヨをレフトで使うつもりだったが、お前が出てくれるならやりやすいわ」

龍「あ、実は姉が病気で」

連夜「うん、逝け」

龍「お前のイケって別の意味で聞こえるわ……」

進「言っちゃ悪いが、あんまり強くないところだから流してやっても大丈夫だぞ」

龍「あ、そう。なら出てやろう」

連夜「少しはマジメにやろうって気を見せろ」

達川「それよりさ、高波って今日先発なの?」

連夜「あぁ。そうだが?」

達川「今、走ってくるってグラウンド出てったけど」

連夜「はぁ!?」

進「あいつ何考えてんの?」

龍「試合っていつから?」

連夜「もうすぐ相手側が来るから大体30分後くらいかな」

龍「ふむ。じゃ、進、バッティングやってようぜ」

進「あいよ」

連夜「あのバカ、普通のランニングコース行ってたら間に合わないぞ」


 その後、練習試合の相手が到着した。学校が近所(片道20分くらい)と言うこともあり徒歩(正確にはランニング)で来た。

乾「チースッ」

連夜「良く来たな」

龍「へ? 乾?」

進「今日の練習相手」

龍「どこが弱い相手だよ! バリバリ強敵じゃん!」

連夜「もうメンバー書いちゃったし、出ろよ」

龍「鬼め……」

星宮「ちなみに高波のやつ、今日出ないの?」

連夜「一応、今日の先発予定だが……」

星宮「へ? さっきすれ違ったぞ?」

連夜「は?」

吉武「学校出てすぐだったな。反対側にいたから声はかけれなかったが」

連夜「何アイツ……そっちまで行ってんの?」

進「監督同士話してて十分後くらいだってよ」

連夜「はぁ……永倉、一応頭から行くつもりで用意しててくれ」

永倉「あいよ」


 それから十分後。互いにキャッチボールなどでアップし、試合開始予定時刻になった。

連夜「………………」

翔「おまったせ〜」

バキッ!

進「おぉ、ナイス左ストレート」

翔「酷ッ! 時間通り帰ってきたのに」

連夜「投げれるのか?」

翔「ったりまえだ! 良いとこ見せたいモン!」

連夜「は?」

翔「おっと。オホンッ。さ、先攻か? 後攻か?」

連夜「先攻だけど……」

翔「ならキャッチボール手伝え」

連夜「あ、ああ……」



 試合は龍と進を起点に好投手乾から二点を奪う。そして投げては……

翔「おらっ!」

ズビシッ!

吉武「ッ……」

スットーンッ!

星宮「くっ」


 攻撃の要である吉武と星宮を完全にシャットアウト。相手に付け入るスキを与えない。


連夜「ナイスピッチング……」

翔「ふっふ〜ん♪」

進「なんか悪いモンでも食ったか?」

連夜「と、とりあえず五回終わったし……永倉−淡野と残り四回繋いでいくか」

翔「ノープログレム! 私一人で投げぬきます」

連夜「………………」

龍「なぁなぁ。あそこにスゲー綺麗な人いんだけど」

連夜「あ?」


 龍が指さした先には昨日喫茶店で会った馬紀がいた。


連夜「……なるほど。全部分かった」

龍「何が?」

連夜「翔がここまで張り切ってる理由がな」

翔「ふっふ〜ん♪ さ、チェンジだ。レン、さっさと準備しろ」

連夜「タツ、永倉。この回から交代だ。龍も下がっていいぞ」

龍「お、マジ?」

翔「ちょっと! ちょっとちょっと!」

連夜「十年以上も先のネタをするな」

翔「何で交代!? せっかく完封して良いところ魅せようと思ったのに」

連夜「不純な動機で張り切るな! 大体練習試合なんだから均等に出さなきゃ意味ねーだろ!」

翔「えぇー! そんなぁーッ!!!」

連夜「はいはい、お疲れさん。じゃ後頼む」

達川「あいよ」


 その後、永倉−淡野のリレーで投げきり、2−0で勝利を収めた。
 試合後の反省会……をしようと思ったのだが、明らかに一人足りなかった。

連夜「………………」

進「………………」

龍「………………」

連夜「俺の目に間違いがなければ一人足りないと思うのだが、どうかな、龍くん」

龍「そ、そうだな。足りない気もするな」

連夜「俺の目に間違いがなければその足りないやつ、さっき女の人といたように見えたが、どうかな、進くん」

進「そ、そうだな。いたっぽかったな」

連夜「何してんだ、アノヤロウ!」

龍&進「どうどうどう」


 野球部の部室では連夜が荒れて大変だったそうです。


〜To be continued〜


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